広島「ヒロインズカップ」

タッチフットリーグ戦開幕!

 

2011.3.13

 

報告:佐々木文昭(日本協会普及・競技力向上委員会) 

広島県の「安芸府中ラグビースクール」のブログに、広島県内のラグビースクール生のお母様方を対象とした、広島県内の超ローカルな花王広島タッチフットリーグ「ヒロインズカップ」なるタッチフットボールによるリーグ戦が、3月13日日曜日、天然芝の広島県営(CCW)ラグビー場にて新たにスタート・開幕するとの情報を得て、早速、旧知の仲間と連絡を取り合い関西方面への出張の帰りに寄り道し、取材のため広島を訪問して来ました。


日本協会では2019のワールドカップ日本大会の開催成功に向けて、ビジョンの一つとして、ラグビーファミリーの構成・拡大を掲げており、今回の「ヒロインズカップ」は、女性であるお母様方をラグビーの良き理解者として取り込む趣旨に適った、新しい取り組みの一つと思われました。


当日入手した「ヒロインズカップ」の開催案内によると、「日頃少年ラグビーへの熱い支援をいただいているご父兄や各スクール関係者の皆さんの健康維持と家庭内におけるラグビーへの関心の向上の為、是非グランドでラグビーボールを真剣に追いかけ『ノーサイド』と『1人は皆のために、皆は1人のために』のラグビー精神を体感していただく事」が目的との事でした。


広島県内で活動している少年ラグビースクール、安芸府中、広島、坂、五日市の4スクールのお母様・ご父兄が主体となって、「花王」に勤務する広島RS・油谷コーチ及び「マツダ」に勤務する安芸府中RS・内田コーチの2人が幹事となり、リーグ戦の企画立案からルール等に至る細かい部分を調整し、リーグ戦の開催に漕ぎ着けました。


今年のリーグ戦は、初年度と言う事で3月の開幕となりましたが、今後、奇数月にリーグ戦を行い 、ゲームへの参加回数、トライ数、勝ち点等色々な頑張りを総合評価した個人賞に加え、年間を通した優勝チームには賞状及び花王の家庭用品(洗剤・化粧品等)が贈られる(コーチのポケットマネー?)予定でしたが、お母様方・選手を集めたリーグ戦開始前の説明会の場で、急遽、内田コーチからピンク色のRX8・ミニカーも贈られる事が発表され、試合開始前からお母様・選手皆さんのヒートアップを感じ取る事が出来ました。


練習前開始にインタビューに答えてくれた、安芸府中RSでお母様方の纏め役・キャプテンを務めている伊澤夫人は三人目のお子さんを背中におぶり、「これまで子供達のプレーに対して叱咤激励・罵声を飛ばしていましたが、自分で経験し難しさも判り、子供達を見直しました!」と、明るく元気に語ってくれました。


基本ルールは、7人制によるタッチフット、グランドの広さはハーフコート、試合時間の7分に加え、ユニークなルールとして大人気ない・淑女として相応しくないプレーに対しては「オーバーザ大人気ない!」との淑女のルールが適用されるとの説明があり、非常に元気なお母様・選手がグランド狭しと走り回っておりましたが、今後の課題として、タッチが早くボールの展開が限られていた事から、選手数を5人程度絞るとか、試合時間を5分ハーフ・前後半で行う等のルールの微調整を幹事に提案させていただきました。

リーグ戦初日は、参加準備の整わなかった五日市RS以外のスクールから3チームが参加し、総当りによる熱い戦いが、十分に時間を取った練習の後に繰り広げられました。


注目の第1試合、安芸府中RSの淑女対広島RSの淑女の対戦はお互い一歩も譲らず0対0の引き分け・好ゲームでしたが、広島RSの淑女の中には既にスパイクを履いた淑女も見られ、両チーム共に元気はつらつ、特に、広島RSの男性にも負けないパワフルな淑女の走りは素晴らしい物がありました。

第2試合、広島RSの淑女対坂RSの淑女の対戦も、お互いに譲らず0対0の引き分けかと思われたノーサイド間際、坂RSの淑女がホローからパスを受けタッチをかいくぐり右隅に見事トライ!1対0で坂RSが、リーグ戦初の記念すべき勝利を収めました。

第3試合、坂RSの淑女対安芸府中RSの淑女の対戦も、お互い一歩も譲らず0対0の引き分けに終わりましたが、ご主人が元ラグビー選手でご自身もバレーボールの元選手と、失礼ながら到底淑女とは思えない瞬発力と長身を生かしたスピードで、タッチライン際を駆け上がって行くプレーに対して私も思わず「行けー!」と大きな声援を送る等、非常に印象に残る好試合でした。

スタンド等で観戦する子供達から「お母さん頑張れ!」の声援に加え、ご主人からも熱い声援が送られていたのが、非常に印象に残る微笑ましいリーグ戦でした。また、3試合の観戦から言える事は、お母様方・選手全てが淑女とは到底思えない立派なラガーだった事に加え、晴れある「ヒロインオブザデー」は初トライを決めた坂RSの淑女・田中真紀子さんが受賞しました。

最後に、今回広島における超ローカルな「ヒロインズカップ」を取材し、ラグビーファミリーの構成・拡大に間違いなく貢献していると確信すると共に、今後、リーグ戦の継続と共にお母様方の更なる取り込みを祈念し、報告の終わりと致します。

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