首都圏・下町地域にジュニア(中学生)スクール誕生

                 佐々木文昭(日本ラグビー協会総務委員会委員)

  ラグビーに興味が有り、当ホームページをご覧になっている皆さんは、国内におけるラグビーの競技人口が唯一増加している世代が、小学生の世代であることをご存じのことと思います。

 他の世代での競技人口減少に反して、国内各地のラグビースクールでは、少子化傾向にもかかわらず、楕円球を抱えて走るチビッコ達の微笑ましくも頼もしい姿が多く見られ、ラグビー競技人口の底辺拡大と、必ずや近い将来、日本ラグビー全体のレベルアップへ繋がるものと期待が寄せられております。

 しかしながら中学生の世代になると、高校進学・部活動等の問題に加え、ラグビーを続けるための受け皿が少なくなり、中学校への進学を契機に、ラグビーから離れて行く子供達が多数いるのが現状でした。

 中学生の世代は、ラグビーに対する技術の向上のみならず、心・技・体の成長に大きな影響を与える大事な世代と位置づけられており、ラグビースクールで芽生えたラグビーに対する思い・興味をそのままに、高校生の世代へと切れることなく繋げることが日本のラグビー界における一つの課題でも有り、近年この狭間を埋めるべく、関係者の努力により中学生・ジュニアを対象とした大会等が各地で盛んに開催されるようになって来ました。

 平成15年11月、日本ラグビー協会関係者長年の悲願であった日本代表選手の専用練習場が、若者達に人気の「お台場」に近い江東区辰巳(辰巳の森海浜公園内)に完成し、普及育成事業の一環として専用練習場を利用した交流会・講習会等が定期的に開催され、近隣各地からラグビースクール等が参加し活発な活動が始まっております。

 これまで、首都圏・東京の下町地域には、江東区・江戸川区・葛飾区・品川区のラグビースクール各々が活発な活動を行っておりましたが、専用練習場で開催される交流会への参加を契機に、少人数で寂しく練習の仲間・相手を探していた各スクールの中学生達を一つに束ね、専用練習場を拠点とした「ベイ東京ジュニアラグビークラブ(ベイ東京JRC)」を新たに立ち上げ、小学校を卒業し中学校へ進学した各スクールの生徒はもとより、首都圏の中心・23区全域における中学生世代の受け皿として、技術指導のみならず、人間としての資質を重んじた指導を心掛けたジュニア(中学生)スクールが、この度、誕生致しました。

 平成16年4月11日、初夏を思わせるような青空の下、専用練習場にて日本ラグビー協会普及育成委員会副委員長・仲村清弘氏及び専用練習場の建設推進にお骨折りいただいた地元選出の東京都議会議員・山崎孝明氏等関係者が集まり、ささやかではありますが志の大きい発足式が開催され、引き続き一つに束ねられた中学生達が仲良く・元気にボールを抱えて走り回り、クラブ初めての練習に汗を流しておりました。