グループ名の由来

 

 

 

佐藤 哲哉(社会科担当)

 

 青柳・紅樹・紫雲・黒潮――この4グループ名の由来に就いて,何時かは書かされるだろうと思っていたのですが・・・・・・。

 いまはむかし――

 昭和34年5月,創立80周年記念行事が盛大に挙行されたことがございました。

 生徒課所属の体育御担当の池内純衛先生が運動会その他一連の生徒会関係の行事について次のようにお考えになったのでございます。従来の学級単位の運営では,

 イ,学級差が顕著である――その頃は能力別の学級編成でしたので女子だけ,男子だけのそれがいくらかございました。

 ロ,飾付も,学級毎に20を越える小さなプラカード・装飾がならんでいるのは雑然として,まとまりと迫力に欠ける――まことにご卓見でございます。

 ハ,費用の面から見ても・・・・・・。

 以上3点から各学年をたて割りにして,4グループに編成してはどうであろうか,とご意見を出されたのでござます。

 当時,生徒課の課長であられた八木茂先生は,早速これを検討されて,採用に踏みきることにされ,佐伯秀雄校長先生に正式の手続をなされ,御承認を得て,その実施を下命されたのでございます。生徒会長は,織田君から,佐伯君に変った直後だったと思います。早速,代議員会を開きまして圧倒的支持を得て,さて,4グループの名称と,色彩をどうするかということになり,種々の討議の末――その頃の本館は,旧帝国海軍飛行隊の兵舎をそのまま転用したもので会議室はその2階東方にございました――まづ,色をさきに決めてその色に応しい名称を漢字2文字でグループごとに事由に採用するということになりました。

 各グループでは,長を中心に苦労したようでございます。

 まづ,青柳がうまれました,緑です。緑という字は使っていないが,これはやむをえまいと云うことになりました。次に紫雲が出たのです,校歌第1節。「茜あけゆく空のはたて」の雲は,紫だと主張するのです。そして,与えられた黄色はイヤだと申します。紫にいたしますると,鉢巻の場合,緑とさぼど区別がつかぬ――説得につかれた私は,結局この主張を入れ,八木先生のお許しを頂きました。所が白です,白のつく文字で,よいのはないと申しまして,黒潮で行こうと云うのです。私は,白虎ではどうかといったのですが,首をたてに振りません。かくて,黒と云うおそらく全国の運動会でも珍しい鉢巻が登場することになったのです。今,考えて,私の主張をとおしたのがよかったか,生徒の意見を入れた結果の現在が方が,よいのか・・・・・いづれにしても黒潮という名称は,やはり,捨て難い匂を持っているようでございます。

 最後に,紅樹――,

 これは,私の担任する3年5組,進学・就職相半ばした女子54名のクラスがリードして居りました。いろいろ出ました,赤心,紅顔,紅玉,赤誠・・・・・・そして一旦,紅玉におちついたのです。私が反対したのです,リンゴのようだと。そしたら先生――と云うことになりまして図書館にかけ込み言林,広辞苑,漢和大辞典類をひろげ,赤と紅,朱などの字にすべてあたりまして,紅樹――これでどうだということになり,結局これにおちついたことでございます。紅玉がいいか,紅樹がいいか,これは,皆様方の御判断におまかせしましょう。

 更科先生に,求められるままに,宮内勇先生にも想い出して頂いて,私が,つづらせていただきました。

 

[青柳第3号(昭和41年度)より引用]

 

注;寄稿中の旧字は現行表記に修正しました。